2022年から不妊治療の一部が保険適用となり、治療へのアクセスは広がりつつあります。
しかしその一方で、「心のケア」はまだ十分に行き届いていないのが現状です。
不妊治療に向き合う時間は、想像以上に大きなプレッシャーを伴い、精神的な負担も非常に大きいと言われています。
実際に、不妊治療中の「心の問題」として、体外受精などの不妊治療初期段階にもかかわらず、軽度以上の「抑うつ症状を抱える人」の割合が54.0%にのぼるという調査結果も公表されています。
(出典:国立成育医療研究センター「体外受精等の高度不妊治療を受ける女性のメンタルヘルスを対象とした日本で唯一の疫学調査(2021年)」)
「治療の出口が見えない」「孤独感や不安に押しつぶされそう」といった、“見えない痛み”を抱える患者の声は後を絶ちません。
「どうして私だけ?」と心を責める気持ちや、結果が出ない焦りは、時に“心を置き去り”にしてしまうことにつながります。
そんな不安や孤独感を少しでも軽減し、心に寄り添う新たな取り組みを始めたクリニックがあります。