夏の“水分補給”が落とし穴? 糖分摂取と肝臓・脂肪肝の関係
夏は汗を多くかくため水分摂取の機会が増えます。そこで気をつけたいのが清涼飲料水やスポーツドリンクによる水分摂取です。これらの飲料などには果糖を含む糖類が多く使用されており、果糖は小腸で吸収された後、過剰に摂取された場合には肝臓へ運ばれます。6
肝臓はこうした栄養素の代謝を担う臓器であり、過剰な糖の摂取は代謝バランスに影響を与える可能
性があります。7,8
その代表的な影響の一つとして、脂肪肝が挙げられます。これは、脂肪合成が促進されることにより生じると
考えられています。7,8
全身の代謝と関連する脂肪肝とそのリスク
脂肪肝は、肝臓だけの独立した病気として捉えられがちですが、実際には全身の代謝の状態とも深く関わっています。脂肪肝は、食べ過ぎや不規則な食生活、運動不足といった生活習慣に加え、遺伝的要因、加齢、性差(特に閉経後の女性におけるリスク上昇)などさまざまな要因が関与します。さらに、インスリン抵抗性、腸内環境の変化、一部の薬剤の影響も発症・進展に関わることが知られています。
その結果、2 型糖尿病、脂質異常症、肥満、高血圧などを伴うことが多く、メタボリックシンドロームとも密接に関連していることが指摘されています。9,10
つまり脂肪肝は、単に「肝臓に脂肪がたまっている状態」ではなく、全身の代謝の状態を見直すサインでもあるのです。さらに脂肪肝を放置すると、肝臓の線維化が進行し、肝硬変や肝がんへと進展するリスクもあることが知られています。9,10
「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、健診結果で確認を
肝臓は代謝の中心的な役割を担い全身の代謝の状態と密接に関わっている一方で、「沈黙の臓器」とも呼ばれるように、異常があっても自覚症状が出にくい臓器です。だるさなどの症状が出たときには、病気が進行している場合もあります。また、日本人では、肥満がない人にも脂肪肝がみられることが報告されています。11
そのため、病状の進行を見逃さないためにも、健康診断では、ALT・AST・γ-GTP などの肝機能関連の検査値を確認することが重要です。12
これらの数値は、肝臓だけでなく全身の代謝状態を見直すきっかけにもなります。体型や体重だけでなく、健診結果から体の内側の状態にも目を向けてみましょう。とくにALT は、30 U/L を超える場合に慢性肝疾患が隠れている可能性があるとして、受診の目安の一つとされています。13
ただし、数値だけで病気の有無を判断できるわけではないため、気になる結果があれば医師に相談することが大切です。